企業のいま

データをあらゆるイノベーションの源泉に。加速する世界で、データ活用を武器にお客様の変革に寄与する

あらゆる業務領域でデジタル化が進み、かつてないほどデータ活用が求められるようになった。しかし、テクノロジーが進歩し続ける限り、データ活用に終わりはない。そうした加速する世界で、アクセンチュアのデータエンジニアリングの専門集団は「ビジネスに対していかに価値提供できるか?」を常に思考する。

2020年春、アクセンチュアでは大きな組織再編が行われた。デジタル部門では、より高度なレベルでお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援する体制を構築すべく、テクノロジー コンサルティング本部にデータグループを新設。データをイノベーションの源泉として捉え、あらゆるデータを価値に変換してビジネスに貢献するエキスパート集団として活動している。今回、このデータグループが手がけるプロジェクトを紹介しながら、「コンサルティング」×「データ活用」によってもたらされる恩恵がどのようなものなのかを探りたい。シニア・プリンシパルの黒田亮とシニア・マネージャーの角南聡一、そして角南とともにプロジェクトに取り組むのジットプラタック・ポーラウィーと木村真優の4名に話を伺った。

デジタルのその先へ。データ活用に特化した専門チームの発足

──最初にデータグループがどのようにして生まれた組織なのか教えてください。

黒田亮(以下、黒田):もともとデジタル コンサルティングの活動の一部として、データ活用を前提としたコンサルティング業務に携わっていました。ただ、現代社会において「デジタルである」ことはもう当たり前になっています。そこで昨年、デジタルコンサルティング本部は発展的に解消し、さらに一段高いレベルでお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援できる形に移行しています。その中で大きく期待を受けて誕生したのが、我々データグループになります。

黒田亮
シニア・プリンシパル。2008年アクセンチュア中途入社。データ・アナリティクス領域のアーキテクトとして、Big Data、 BI/Visualization、分析platform、MDMなどのプランニング、ソリューション策定、導入技術支援を中心に担当。金融機関・流通業を中心に、さまざまな業界で大規模プロジェクトでのプランニング・要件定義~運用まで携わる。

角南聡一(以下、角南):私や黒田は2008年からアクセンチュアに在籍しており、当時からデータ活用案件は多数ありましたが、その用途が限定的だった印象です。しかし、現在ではあらゆる業務がデジタル化され、すべての業務領域でデータ活用が求められるようになりました。ビジネスにおけるデータへの意識も変わってきており、それに対して迅速かつ柔軟に応えられるチームが必要になったというのが大きな要因かと思います。

黒田:さらに「データ活用」とひと括りにしていますが、実際はさまざまな側面があります。データを収集・蓄積するためのプラットフォームを構築することもあれば、データ活用の戦略を練るコンサルティングも必要になります。そこでデータグループでは5つのチームを編成し、それぞれが専門スキルを活かしながら戦略から実行まで一気通貫で支援しています。

データグループの5つのケイパビリティ。左から、Data Platform、Data Integration、ML/AL Engineering、Data Utilization、Data Strategy。

──データグループで、みなさんはどのような業務に携わっているのでしょうか。

黒田:私は先ほど説明した5つのチームのうちのひとつである、ML/AI Engineeringチームを担当してメンバーのスキル向上などに取り組んでいますが、プロジェクトではデータプラットフォームに近いロールで、アーキテクトとしてデータを収集する仕組みをお客様と共に考えて実現しています。

角南:私はデータ活用によって、どのような価値を提供できるかを考える役割を担っています。新しい施策立案・データ可視化などのお客様の要望に対して、データ活用を業務に組み込み、効果創出の実現まで含めて支援しています。

角南聡一
シニア・マネージャー。2008年新卒でアクセンチュアに入社。情報活用基盤構築(DWH、Data Visualization、Data Platform等)を中心に、データ活用コンサルティング・システム構築を多数経験。ここ数年は全社分析基盤構築やCRM基盤構築で、企画・要件定義~運用・定着化まで携わる。

ジットプラタック・ポーラウィー(以下、ポーラウィー):私は現在、角南と同じCRMプロジェクトで、アーキテクトとしてシステム全体の運用・拡張を担いつつ、開発リードとしてプロジェクト管理も含めて担当しています。

木村真優(以下、木村):私も角南と同プロジェクトで、グローバル展開領域リードとして、お客様の業務の改善およびシステム展開・推進を担っています。

──デジタル部門から独立して、データグループになったことによる変化を感じますか?

角南:今まで以上に、さまざまなバックグラウンドの方と働く機会が増えた気がします。現在のプロジェクトでは、データグループだけでなく他部署のメンバーも多数参画しています。加えて、半数近くは海外拠点のメンバーで、これまで以上に各メンバーのスキルを最大限に引き出して、価値を作りだすことが大切になってきていると感じます。

黒田:現在はどんなところにもデータがあることが当たり前になってきています。会社としてデジタルであることを前提条件に、データを活用して業務に取り組む文化が強化されてきていますし、マーケットとしての引き合いも伸びていて、さまざまな業界から声がかかるようになっています。そうした需要の高さを感じる機会は増えましたね。

データ活用を軸に、難易度の高いプロジェクトに参画

──みなさんが取り組まれているプロジェクトについて教えてください。

黒田:2021年5月に事業をスタートさせる「みんなの銀行」というデジタル銀行を設立するプロジェクトにデータプラットフォームのアーキテクトとして携わっています。この銀行は、デジタルネイティブ世代をターゲットにしていることもあり、口座開設から入出金の管理までスマホアプリで完結でき、UXも他の金融機関とは一線を画す直感的なデザインになっています。さらに、Google Cloudをベースにした次世代金融システム「アクセンチュア クラウドネイティブ ソリューション(通称:MAINRI)」を採用している点も大きな特徴です。

MAINRIは、基幹システムのマイクロサービス設計から、APIによる外部サービスとの連携、データウエアハウスに格納された顧客行動データなどを即時に分析できるプラットフォームの構築・運用まで、DX推進する企業を支えるさまざまな機能が備えている。
https://www.accenture.com/jp-ja/services/technology/cloud-native-core-solution

銀行がクラウドベースのシステムを使うことの革新性はもちろんですが、それに加えてデータ収集の面でも工夫が凝らされています。データを活用したいとは思うものの収集に苦労するという話はさまざまな企業で聞かれる話ですが、みんなの銀行ではあらかじめコアシステムにその仕組みを組み込んでいるので、リアルタイムに近い形ですべてのデータを集めることができるようになっています。

──なかなか挑戦的な取り組みですね。

黒田:過去の仕組みにとらわれず、クラウドサービスを最大限に活用しながら次世代のあるべき仕組みをゼロから考えるところからスタートしているので、その点についてはすごく挑戦的でしたね。

──では、角南さんが担当されているプロジェクトについても教えてください。

角南:私は現在、木村、ポーラウィーとともに、顧客に関する情報を蓄積するカスタマーデータプラットフォームを構築し、CRMやBI、経営帳票向けに、データ分析・活用を推進する役割を担っています。このプラットフォームは比較的自由に活用できるように構築しており、お客様もさまざまな用途で利用されています。

このプロジェクトでは、ポーラウィーのチームが国内のお客様向けにサービスを提供し、効果が確認できたものを、木村のチームがグローバル各国へ展開するアプローチを取っています。チームは分けているものの、各メンバーの知見を合わせる必要も多く、チーム横断での共同タスクとして推進していくことも多いです。

──ポーラウィーさんと木村さんは、どのようなことを意識して業務に取り組まれているのでしょうか?

ポーラウィー:能動的にプロジェクトを動かすことを心がけています。我々のもとには日々多くの要望が届くのですが、お客様から言われたとおりに作業をこなすのではなく、本質的にやりたいことが何なのかをしっかりと引き出し、理解することを大切にしています。また、検討の初期段階で、我々からお客様に対して構築方法を提案することも多く、そうすることで、業務的な目線だけでなく、システム目線での柔軟性・安定性を見据えた実装ができるように工夫しています。

ジットプラタック・ポーラウィー
2016年 中途採用でアクセンチュアに入社。Digital Transformation向けデジタルアプリの要件定義・設計、業務支援を経験。2018年より現在の Global CRM案件で活動中。

木村:私の場合、世界各国の業務部門から要望が上がってくることが多く、それぞれの国の文化や法律、言語の違いに直面することが多くあります。例えば、特定の国では、個人情報を保有できる期間が決められているので、新しくデータを取り込む際にはその考慮が必要です。お客様の業務も、それぞれの国の文化に合わせた考慮がなされており、その背景を把握したうえで、効率よく、品質高く、システムを構築・運用するための方法を常に模索しています。

また、グローバルでサービスを提供していることもあり、現地システムから想定外のデータが連携されることも多いです。それに起因する障害発生時は、その都度、迅速な影響調査やリカバリー、業務ユーザへの連絡が必要となるため、業務・システムを日々改善できるよう心がけています。もちろんコミュニケーションを取るうえでは、英語でお客様の要望を理解する力が必要になるので、そこもチームとして日々改善できるように努力しています。

──プロジェクトを推進していくうえで、どんなことに難しさや面白さを感じていますか?

ポーラウィー:グローバルでシステム構築・運用しているので、我々の開発体制も、日本、フィリピン、インドの3拠点にまたがっています。そのため、「特定機能についてはこの人に聞かないとわからない」、「コミュニケーションを取りたいけれど特定の言語しか話せない」といった属人的な問題が起こりやすくなります。そうした状況もあり、メンバーの役割分担や、知識・知見の共有は難しいですね。チャットやタスク管理ツール、日英の定例ミーティングなど工夫はしていますが、まだまだ改善余地があると感じています。ただ、国籍や言語の壁を越えてプロジェクトを推進していく、というのはとても面白いです。

木村:データ活用の取り組みは、システムがあるかぎり継続的な発展が期待されるので、終わりがないものだと思います。既存運用を確実に行いつつ、それと同時に継続して発展させていくことにも取り組まないといけないため、その難しさを感じています。データプラットフォームという特性上、データ分析側にもデータ源泉側にも多数の関係者がいるので、物事が予定通りに進まないことも多く、各関係者の状況・知見を整理しながら、一歩一歩辛抱強く進めていくことが多いですね。

木村真優
2016年 第二新卒でアクセンチュアに入社。DR対応更改案件、テスト自動化案件、運用基盤統合案件等を担当し、2018年より現在の Global CRM案件で活動中。

加えて管理すべきデータが膨大で、すべてのデータ仕様を把握することが正直難しくなっています。とは言え、私たち自身が正しい理解のもとでデータ活用できていないと、お客様に対して価値を提供できないため、業務部門や分析官、関連システム担当者を巻き込みながら、データプラットフォームとしての品質を高く維持することを目指しています。

国や言語に関係なく、データでつながる組織でありたい

──ここまで伺ったような事業に取り組む難しさあるからこそ、働くうえでの醍醐味も大きいと思います。今後、データグループとしてビジネスシーンにどのようなインパクトを残していきたいですか?

角南:先ほど木村も言っていたのですが、データ活用にゴールはないんですよね。加えて、テクノロジーの進歩によってデータ分析のパターンもどんどん増えています。そうした加速する世界のなかで業務に取り組むからこそ、お客様に価値を提供できた時の達成感は大きいですし、その期待に応え続けられるような組織を目指していきたいと考えています。また、アクセンチュアはさまざまな国で事業を行なっているのが強みなので、国や言語、文化を超えて、お客様に貢献できるような組織を作っていきたいですね。

ポーラウィー:我々が消費者として利用するサブスクリプションサービスも含め、現在は、多くの企業がデータを活用して事業に取り組もうとしています。そのような仕事の一翼を担っているのは、とてもやりがいを感じるポイントです。これからもさまざまな用途で活用されるデータの在り方を模索していきたいと思います。

木村:どの企業でも事業にデータを活用することを目指しており、私自身そうした仕事に携わりたくてデータグループに異動してきたので、実際にデータの活用方法や施策の打ち出し方などを学べたのはよかったと思っています。もっとさまざまなことを身につけてお客様に貢献していきたいですね。

黒田:実際のところ、十分にデータを活用できていない企業の方が多いと感じています。そこにはデータを活用する難しさや課題がまだまだあるからだと思うんですね。新しいデータが増えていくこともそうですし、オンラインとリアルのデータをつなげていくことも難しい。あとはセキュリティだったり、プライバシーだったり、あるいはAI活用だったり。これらの課題を解決するために、プロジェクトの全体像を見ながらデータを活用できる私たちのような専門家が必要なのかなと。

──どのようなスキルやマインドを持った人が活躍できますか?

角南:現状ではデータ活用方法の立案、そのためのシステム構築などを中心にサービスを提供していますが、今後さらに幅を広げていくには、テクノロジーに精通している人はもちろん、データを使ってこんなことがしたいという具体的なビジョンを持っている方に仲間になってもらえると嬉しいですね。

黒田:いろんな関わり方があるので、この経験がある人というよりはデータの可能性をもっと広げていきたいというマインドがある人にジョインしてほしいですね。我々は、データがあらゆるイノベーションの源泉になると信じているので、一緒にその可能性を探っていけたらと思っています。