ダイアローグ

新カテゴリー「ダイアローグ」のスタートにあたり

BNLの新カテゴリー「ダイアローグ」をスタートする。ダイアローグ、訳すと「対話」ということになる。昨今、対話の重要性はさまざまな場所で見聞きするが、ここで発信していきたいことはそうした重要性を説くことではない。あえて言葉にするなら「探求の記録」だ。

いきなり唐突な切り出しになるが、「会話」と「対話」は似て非なるものだ。

「会話」はあらゆる時間にあらゆる場所で行われている。そのいくつかは日常の何気ないやりとりであり、時として真剣で厳しい交渉が必要な場面もあるだろう。

では、「対話」とはなんだろうか?

その本質は「隔たり」にあるのではないかと考える。片方が話し終えてから、他方が話をはじめるターンテイキング(話者交替)によって、双方の差異が明確になっていくからだ。ある種の緊張感の連続の中から言葉が紡がれていく、その隔たりの間には不確実な「問い」がある。それは少し大げさに言うならば「探求」と呼べるのではないか。

異なる意見や思考を検討しあう「対話」は面倒なものだ。互いに話を合わせて、ひとときの交流を楽しむためのものではない、むしろ文脈や枠組みの異なる考えを対峙させることも必要となるからだ。

しかし、だからこそ探求には価値がある。

BNLの新カテゴリー「ダイアローグ」(=対話)では、いわば「知の探求」をドキュメントしていきたい。「対話」の導入として設けたテーマは単なる入口にすぎない。そこにあらかじめ欲しい答えはないし、予定調和も求めない、そうした約束事からできるだけ離れることを良しとしていきたい。

また、この「ダイアローグ」では、濃密な対話の時間をつくるために、対話する双方の文脈から切り離された場所で行うことにした。その場所として選んだ外苑前の「VOICE」は、フラワーショップでありギャラリースペースでもある。そこには生花とそう大きくないテーブルと椅子だけがある。通り沿いからは見逃してしまいそうな、この小ぢんまりとした店舗は、生々しい言葉が生まれる入口となった。

さて、前情報はこれくらいにしておくことにして、「対話」の差異が生み出すグルーヴにぜひ身を委ねてほしい。