ととのう職場、自然体のキャリア

ボーナスが決まる仕組み、知っていますか?──連載:ととのう職場、自然体のキャリア VOL.14

給与についてみんなで「タイワ」をしてみよう。給与や評価の仕組みを知れば、もっと自然体で働けるようになるし、組織への理解も深まるはずだ。羽渕彰博の連載、第十四回。

自分の給与がどのように決まっているかご存知ですか?

ボーナスの季節になりました。会社員の方はどのくらい貰えるのかソワソワしますよね。ちなみに私は独立してからボーナスとは縁遠い生活をしているので、羨ましいなと横目で見ている今日この頃です。

組織づくりの仕事をしている関係上、他社の社員のボーナスをどのように配分すべきかを考える機会があります。いかに不満なく、納得してもらえるかが大事なことだと感じています。

組織づくりに携わる前は、「ボーナスは会社の業績と自分の成績に連動して支払われるもの」だと、なんとなく思っていました。しかし様々な企業の組織の制度に関わる中で、そもそもボーナスがない企業もあることや、配分や計算方法が企業によって異なることもわかってきました。もっと言うと、ボーナスだけでなく給与や賃金に対する考え方も、企業によって解釈や意味づけが異なります。

さて、ここで皆さんに質問です。自分の給与やボーナスはどのように決まっているかご存知でしょうか。もしご存知でなければ、どのようにすれば知ることができるのか。皆さんがこの記事を読み終える頃、少しそのヒントが見えていると嬉しいです。

「仕事を頑張れば給与があがる」とは限らない

私は前職で営業をしていて、たまたま運も重なってMVPを取った経験がありました。売り上げ目標の1.5倍の成果を出しましたが、給与が1.5倍になったかというと、なりませんでした。私が以前にいた職場では、業績と給与は必ずしも連動しているわけではなかったのです。

一方で、ある外資系の生命保険会社の営業職では、自分の業績と給与が連動しています。いわゆる成果主義ですね。係数は企業によって異なりますが、自分が頑張れば頑張るほど給与は上がっていくわけです。もちろん自分の業績が低ければ、その分給与も下がってしまいます。

他にも基本給とボーナスを「一律同額」にしている企業もあれば、サイコロで給与が決まる企業もあります。給与やボーナスに対する考え方に「正解」はなく、組織の給与に対する価値観によってバラバラです。

ここで大事なのは、自分がいま所属している組織が、「給与」をどのような価値観で設計しているかに目を向けることです。給与を上げたいからといって、仕事をがむしゃらに頑張ったとしても、ルール次第では全く上がらない可能性もあるからです。

報酬の定義について、みんなで「タイワ」しよう

とはいえ、給与がどのようにすれば上がるのか、どういう仕組みになっているのかを経営陣や人事に聞くのは憚られると思います。「お前はお金に目ざとい人間だ」と思われるのも嫌ですよね。

そこでオススメしたいのは、個人的にコソコソ聞きに行くのではなく、みんなでオープンに「タイワ」することです。ここでの「タイワ」とは、相手の発言にある背景や価値観を含めて受け入れ、自分の背景や価値観を含めて相手に伝えて、双方が納得する解を見出すコミュニケーション手法のことを指します。一方的に自分の主張を相手に伝えるのではなく、企業側がなぜそのような仕組みにしているのかを伺いましょう。

問いはいくつかありますが、例えば「給与は何に対する対価なのか」とか「みんなの報酬も増えるためには何を指標にするべきか」など、考えてみるのも良いと思います。仕組みを知ることで、「売り上げを上げないと評価してくれないと思っていたけど、実は直接的に成果にはつながらないプロセスや取り組みも評価してくれている」ということがわかったりします。すると、お互いの期待値がととのい、自然体ではたらけるようになっていきます。

しっかり考えている経営者は、給与の定義について考えていますし、なぜいまのような仕組みになっているかを説明できます。給与について質問することは、悪いことではありません。むしろ社員自らが会社目線で給与の分配について考えてくれることは、嬉しいことだと思います。経営者が独りで考えた制度を導入し、社員から不満を言われるような結果になれば、きっと寂しいでしょう。

逆に、組織づくりをさせてもらっている立場の人間から言うと、給与の仕組みを開示してくれない組織や、パッと答えられない組織は、ハッキリ言って怪しいです(笑)。自分たちの組織がどういう組織なのか、一度「タイワ」をして考えてみませんか?

執筆者・羽渕彰博のプロフィール
羽渕彰博

株式会社オムスビ代表取締役CEO

1986年大阪府生まれ。2008年パソナキャリア入社。転職者のキャリア支援業務、自社の新卒採用業務、新規事業立ち上げに従事しつつ、アイデアを短時間で具現化する「アイデアソン・ハッカソン」のファシリテーターとしても活躍。2016年4月に独立し、リレーションシップデザインを軸とする株式会社オムスビを設立し、組織変革したい企業様向けの組織コンサルティングサービス「reborn」を提供している。

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