ととのう職場、自然体のキャリア

職業はなんだっていいんじゃないか?──連載:ととのう職場、自然体のキャリア VOL.12

職業をスキルとタイプに分解して考えてみよう。自分のタイプを活かせたら、どんな職業でも楽しく働けるかもしれない。羽渕彰博の連載、第十二回。

同じ職業でも、さまざまなタイプの人がいる

キャリア支援の業界では、自分がどのような職業に向いているかを提案してくれる適職診断サービスがあります。いくつかの質問に答えると、「あなたのタイプは〇〇タイプで、〇〇や〇〇のような職業に向いています」と提案してくれるものです。私も試しにある適職診断サービスを受けたところ、「仕事内容」重視タイプで、科学者や建築家が向いているという結果が出ました。

確かにタイプによって向いている職業はあるでしょう。しかし私は、10分カットでお馴染みのQBハウス京急新逗子店で、髪を切ってくださっている美容師さんを眺めていて、ふと思いました。「自分のタイプを活かせるのなら、職業はなんだっていいんじゃないだろうか」と。なぜなら、同じ職業でも、さまざまなタイプの人がいるからです。

実際、私は数々の美容師さんに髪をカットしてもらってきましたが、タイプは見事にバラバラでした。それもそのはずで、厚生労働省が出している平成29年度衛生行政報告によると、日本に美容師さんは52万3543人もいらっしゃるそうです。全員が同じ価値観や性格だったら逆に恐ろしいですよね。

あなたがもし美容師さんだったら

日本にはいま、美容室が24万7578店店舗あると言われています。これはコンビニエンスストアの店舗数5万6374店と比べると約4倍です。(経済産業省・平成29年商業動態統計調べ)

コンビニエンストアは、セブン-イレブンとファミリーマートとローソンの上位3社がシェア90%以上を独占していますが、美容室は一人か少人数で店舗を運営しているケースがほとんどです。

つまり美容師は、価値観や性格など、その人のタイプを活かしやすい職業だということです。もしあなたが一人前のスキルを持った美容師さんだったら、どのような美容室にしますか?

例えばあなたが仲間と一緒に仕事をすることに価値を感じるタイプであれば、気の合う仲間と美容室を始めるでしょう。自分の好きなスタイルにこだわりたいタイプなら、専門店を開いていいかもしれません。ちなみに原宿にはリーゼント専門店があるみたいです。

僕は新しい仕組みを考えることが好きなタイプなので、美容室にサブスクリプション型のビジネスモデルを導入したいです。既存顧客と長く付き合っていくために、年間契約の定額制にします。

職業=スキル×タイプとして捉えて考える

そもそも職業とは一体何なのでしょうか。一旦、職業をスキルとタイプに要素分解して考えてみます。あなたが重要視しているのは、スキルの方でしょうか、それともタイプの方でしょうか。

先ほどの「あなたが美容師さんだったら」の例えでは、スキルを固定化し、タイプを自由に変動させて考えてみました。自分のやりたいことができるような気がしませんか?

私が組織づくりを一緒に取り組んでいる企業の中には、やむを得ず家業を継いだ経営者の方もいらっしゃいます。それでも自分のタイプに合わせて組織づくりをしながら、事業を成長させていらっしゃいます。この事例もまたスキルは固定で、タイプが活かされている好事例と言えます。

スキルは、そのときの環境や需要供給バランスによって求められるものが変わります。なりたい職業があっても、自分の意思や努力だけではどうしようもできないときもあります。絶対になりたい職業があるのもステキだと思いますが、一方でその職業に就けなかったときに落胆される方もいるかもしれません。

もし周りでなりたい職業につけなくて落胆されている方がいたら、この記事をシェアいただければ幸いです。どのような職業になっても、自分のタイプを活かしてやっていけば楽しく働けるかもしれませんよ!