ブランドのつくり方

モノに例えてイメージする━━ブランドのつくり方Step4:ロゴ制作

ロゴ制作はデザイナーの独断で進めてはいけない。ブランドコンセプトを基盤として、デザイナーと経営者が目指す世界観について共通認識を持つことが大切だ。そのための効果的な方法がメタファーだという。

Step4では、前回完成したブランドコンセプトからロゴマークをつくります。

ロゴマーク制作は、顧客に向けてブランドコンセプトを可視化する作業です。ロゴマークや社名、社のカラー、パッケージなどには、「企業の想い」と「企業に対する顧客のイメージ」を一致させてブランドを構築するための重要な橋渡しの役割を担っていることを忘れてはいけません。

例えば「米屋だから渋めの色」「米屋だから手書きフォント」というように業界の通念にとらわれて、経営者のパーソナリティーを整理せずに制作を進めると、小池さんの想いやキャラクターとはかけ離れたものになってしまいます。ロゴマークは特に、デザイナーが一方的につくるのではなく経営者と一緒に世界観を議論し、共通認識を築くことが重要です。

小池精米店のロゴマーク作成では「メタファー(比喩)」という、他のものに例えて考える手法を用いました。企業のビジョンやミッションを実際に世界観としてつかむためには、他のモチーフに置き換えた方が、キーワードとして引き出しやすいからです。

小池さんに「小池精米店は椅子にたとえるとどんなイメージですか?」「音楽にたとえるとどんなイメージですか?」といった問いかけを重ね、例えば椅子なら、革張りの椅子、重ねられる椅子、カラフルな椅子など、さまざまな写真を使いながら一緒にイメージを考えていきました。

Photo: "vintage chairs" by Shinn(CC BY-NC-ND 2.0)

こうしたやり取りを経てできた小池精米店のロゴマークは、47都道府県の推奨品種の米粒を一粒一粒トレースして日本地図をかたどったデザインです。(TOPの画像)

小池さんの名刺にはこのロゴマークと「産地直米、お米を楽しく。」のブランドコンセプトを記しています。このように「想い」と「デザイン」が合致したとき、そのロゴマークは唯一無二のものとなり、ブランドコンセプト同様にビジネスのモチベーションの向上にもつながってきます。

さて、Step1から進めてきた「想いを引き出し言語化する」作業が完了しました。ここまでがブランドの構築です。次回のStep5からは、つくったブランドを企業の内外にコミュニケーション設計するプロセスに入ります。