ととのう職場、自然体のキャリア

他人に合わせることが、自己中心的な行為につながる──連載:ととのう職場、自然体のキャリア VOL.4

周りに合わせてばかりいると、いつの間にか働きにくい職場になってしまう。羽渕彰博の連載、第四回。

周りに合わせてばかりだとどうなるか

日ごろ仕事をするなかで、自分を欺き、顧客や会社の都合に無理して合わせてしまってはいないでしょうか?

「ここぞ!」という時だけならまだしも、いつも合わせてしまっていると不自然な働き方になっていきます。かくいう私も周囲に合わせてばかりの時期がありました。嫌われてしまうのが怖かったからです。「マイナスな評価をされてしまって、辞めさせられたらどうしよう」といった漠然とした不安がありました。

不安や恐怖に怯えながら働いていると、仕事の目的を達成することよりも、自分の評価ばかりが気になってしまいます。そうすると手段と目的が逆になってしまい、自分をアピールする手段として仕事を使うようになります。例えば、チームでミッションを達成しても、さも「自分がやりました感」を醸し出そうとする。でも一緒に働くメンバーからは当然認めてもらえないわけです。

このように振り返ってみると、自分がおかしな行為をしていることは一目瞭然ですが、当時は「他人に合わせているのに、なぜ他人は認めてくれないのか」と本気で思っていました。

ここで読者の皆さんに質問したいのですが、私は本当に他人に合わせていたでしょうか?

もし他人に合わせていないのあれば、私は誰に合わせていたのでしょうか?

自分についたウソに合わせ始める

本当はやりたいことがあるけれど、それを言って嫌われるのは怖いから、我慢して周りに合わせる。そうすると次第に、「周囲の環境が悪いから自分のやりたいことができない」と自分の行動を正当化するようになります。そして、周囲に不平不満を撒き散らしたり、自分のことばかりアピールしたり、周囲の環境に合わせているとは到底思えないような言動を始めてしまいます。周囲に合わせていたのではなく、自分についたウソに合わせていたのでした。

その経験から、私はなるべく自分にウソをつかず、正直でいることを心がけています。例えば、自分にとっては関心の低い仕事を相談されたら、その気持ちを相手に正直に伝えます。そして、どのようにすればもっと面白くなるかを考え、逆に提案することもあります。それでもし合わなければご縁がなかっただけ。すり合わせがうまくできて、自分の価値観とフィットした仕事になれば、周りに自然と感謝の言葉が言えるようになります。

「君のリーダーとしての成功は、自分への裏切りからどれだけ自由でいられるかにかかっている。自分への裏切りから自由になってはじめて、他の人たちを病原菌から解き放つことができるんだから。そうなって、はじめて、リーダーになれる。人々から信頼され、期待に応えようという気を起こさせ、一緒に働きたいと思わせる、同僚になるんだ」

自分の小さな「箱」から脱出する方法』アービンジャー・インスティチュート(著)金森重樹(監修)富永星(訳)大和書房

「なにか自分にウソをついてはいないか」。もし周囲の環境に不満を感じていたとしたら、まずは一度、冷静に振り返ってみましょう。