今回紹介する手みやげは、松屋銀座で見つけた「五穀屋」の羊羹。発酵の知恵と季節の彩りが詰まった和菓子のお店だ。一つひとつのお菓子に、日本の文化になぞらえた意味が添えられている。訪問が、季節や文化を感じる豊かな時間になるだろう。
今日は、昔お世話になった人に会いに行く。ひと回り上の大先輩。しばらく会っていなかったけれど、この前Eightで名刺更新のお知らせがきて、職場が変わったことを知った。
キャリアアップのお祝いをしたいし、久しぶりに話もしたい。再会が、また一緒に面白い仕事をする機会になるかもしれない。
お世話になっていたときからずいぶん経ったなと、あの頃を思い出しながら、手みやげを買いに銀座へ。
今回は、「五穀屋」の「発酵さしすせそ羊羹 五季(いつき)」に決めている。一箱の中で移りゆく季節を表している和菓子だ。きっと過ぎた季節を懐かしみながら楽しく話ができると思う。
「五穀屋」は、浜松で生まれた和菓子専門店で、松屋銀座と浜松にあるスイーツのテーマパークnicoeに店舗を構える。
「発酵さしすせそ羊羹 五季(いつき)」は、色のついたガラス玉みたいな、きれいなまん丸の羊羹。箱を開けた瞬間は、まさかこれが羊羹だとは誰も思わないだろう。
その名のとおり、発酵のさしすせそ(酒、塩糀、酢、醤油、味噌)で五つの彩りと日本の五季を表している。
味は定番の5種と、季節限定の1種、そして松屋銀座店の限定「銀座はちみつ」がある。味で決めるのもよし、見た目の鮮やかさで決めるのもよし。
ちなみに五季とは、四季の他にもうひとつ五つ目の季節があるという考え方だ。「立夏・立秋・立冬・立春」の直前の約18日間ずつ、つまり四つの季節の合間を縫う時季のことを「土用」と呼ぶ。その「土用」が五つ目の季節だ。
(前略)
四つの季節の
合間を縫う季節を
「土用」と呼びます。
土用があけると
新しい季節の
はじまりです。五穀屋 HPより
日本の季節は少しずつ緩やかに移ろいゆくもの。「発酵さしすせそ羊羹 五季」は、季節の彩りとともに、時の流れを感じせる、そんな一品だ。
(中略)
言葉にならない
はっきりしない
曖昧な領域は
日本文化になくてはならない
大切な芯そんな要を
五穀屋は
五季の色で
あらわします五穀屋 HPより
久しぶりに会う、大切な人。手土産を渡すときは、日本の文化になぞらえた意味も一緒に伝えたい。オフィスを訪問する短い時間が彩られて、なんとなく豊かな気持ちになれる。
忙しい人だから頻繁には会えないけれど、これから「土用」がやってくるたびに思い出してくれるかもしれないと、少しだけ期待も込めた。