TODAY IN BUSINESS

4月10日は「お弁当始めの日」──1964年の東京オリンピックで発展した冷凍食品の歴史

今日は「お弁当始めの日」。冷凍食品やレトルト食品などの製造・販売を手がける株式会社ニチレイフーズが2017年に制定した。

バレンタインデーやホワイトデーは有名だが、実は世の中には他にも多くの記念日がある。

今年は何が違うのか。新しいトレンドはあるのか。どんなビジネスの狙いや市場の実態、あるいは業界発展の歴史があるのか。BNLの新企画「TODAY IN BUSINESS」がスタート。

今日4月10日は「お弁当始めの日」。

この日を制定したニチレイフーズの調査によると、冷凍食品のお弁当カテゴリーの売り上げは、4月10日前後が一年を通じて最も高いという。そこで新生活にお弁当を作り始める人を、豊富な冷凍食品の食材で応援するという意味も込めて「お弁当始めの日」としている。

数字の並びとして、「弁当」の「弁」が数字の「4」に似ていることと、「当(とう)」=「10」の語呂合わせにも由来している。

冷凍食品の開発現場にAIを導入

日本の冷凍食品のクオリティは日々進化しているが、2019年3月にニチレイフーズは鶏肉加工の工程にAIを活用した独自技術を取り入れると発表した。

加工の際に混入してしまう「硬骨」はこれまでX線検査機での選別を行っていたが、食品同士の重なった部分を硬骨と誤認し、良品を廃棄するケースもあった。そこで選別の精度を上げるべく、さまざまな情報によって食品を識別、学習するAI選別プログラムを開発。3月より導入をスタート。

今回のAI検出技術を導入することで、下記の効果を見込んでおります。
1) 良品を硬骨混入品と誤認する比率 1/5に低減
2) 製品廃棄削減率 約50% (半減)
今後も、AI選別技術を導入・拡大し、貴重な食糧資源のロス削減に努め、これまで蓄積してきた技術と合わせ、3年を目途に製品廃棄削減率80%を目指します。

導入後もデータを蓄積しさらに精度を高めていくという。

日本の冷凍食品はオリンピックを機に進化

実はこうした冷凍食品の進化には、オリンピックが関わっていたという歴史がある。 1964年の東京オリンピックでは20万人分、60万食にのぼる選手の食事が課題となった。そこで注目されたのが食材の冷凍保存技術。

日本にフランス料理を広めた帝国ホテルのシェフ村上信夫と、日本冷蔵(現在のニチレイフーズ)の社員はこの課題に挑戦。大会開催まで3年、食材冷凍技術の研究開発をおこなった。そして試行錯誤の結果、冷凍した食材を使ったメニューを振る舞い、のちに首相となる佐藤栄作オリンピック担当大臣を「おいしい」とうならせるまでに。冷凍食品の一般化にも大きく貢献する出来事となった。

2020年の東京五輪にむけて帝国ホテルの田中総料理長を中心に、冷凍食材を活用したメニュー作りのプロジェクトは始まっているという。一体、どんな進化を見せてくれるのだろうか?

参考文献

ニチレイグループプレスリリース
日本の食文化繁栄の礎を築いた1964年大会 東京オリンピック選手村食堂運営での挑戦
帝国ホテル田中総料理長が語る「東京五輪食堂」