インタビュー

Zendeskはなぜ多くの日本企業に支持されるのか。日本法人社長が語る、カスタマーサポートの最前線

藤本寛が日本法人の社長に就任してから2年間で、国内導入社数は1,000社から2,500社へと成長している。最近では顧客からの問い合わせに対応するだけでなく、従業員からのITや人事への問い合わせにも対応する利用例も増えているという。

2年間で1,000社から2,500社へ

──藤本さんが日本法人の社長に就任されたのは、何年前ですか?

2年半くらい前ですね。

──ということは日本法人ができて3年目くらいの時ですかね?

そうですね。最初は4,5人くらいで日本市場に通用するかを試すことから始めていまして、3年経って成長路線に入る頃に私がジョインしました。

──藤本さんが加わってから、数字としてはどのような成長を遂げていますか?

売上に関しては昨年末、対前年比で60%ほどの成長を記録しています。企業数は現在2,500社を越えていまして、2年前は1,000社くらいだったので、約2.5倍になりました。

──増加分の1,500社に関して、以前と比べて何か傾向は変わりましたか?

少し変わってきています。以前はやはり先進的なIT企業が多かったのですが、最近はこれまでオフライン中心だったけれどオンラインにも挑戦しているというお客様の利用が増えています。あと新傾向としては、社内で使われるケースも増えています。

業種に関しては、インターネットサービス業をメインに、小売業も加わり、企業のお客様が消費者であるBtoCの企業が多い。従業員向けの使い方に関しては、BtoB企業もあり、製造業、卸売業、運輸業など多様だという。

IT・人事部門への導入も進む

──社内の利用とは?

もともとZendeskはカスタマーサポートサービスとして、企業がお客様を支援するためのツールですが、部門によっては"お客様"が社内の従業員だったりする場合もあります。

──どういった部門が利用するのですか?

代表的なのはITと人事ですね。例えばIT部門なら、PCの故障などヘルプデスクの機能としてご利用いただいています。人事部門なら、保険証や健康診断の疑問など質問事項は多いのですが、担当者からするといつも同じような質問を受けているわけでして、その対応を効率化するツールとして活用されています。

──どうしてZendeskは、社内利用でも便利なのでしょうか?

Zendeskでは、問い合わせを受ける側の生産性の向上だけでなく、問い合わせをする側の満足度の向上にも努めています。問い合わせをした従業員からすると、どういうステータスにあるのかを常に把握できることも、満足度向上のためには大事になってきます。

例えば、「いま調べています」とか「いま担当の〇〇さんに確認しています」などのように状況を確認できます。従業員に対してそこまでレベルの高いサービスが必要かどうかは、企業によって考え方が異なるとは思いますが、最近は働き方改革の流れも後押しになっているようで、広がっています。

従来の電話やメールだけでなく、チャットやSNSなど、さまざまな経路から問い合わせが寄せられる時代です。Zendeskでは、すべての情報を一元的に管理でき、継ぎ接ぎのない対応と、チーム全体の質の底上げにも貢献している。

試用期間30日で自らセットアップ可能

──高度な対応が求められるコンシューマー向けのサービスをやってきたからこそ、従業員向けとしても導入が進んでいると思うのですが、共通する製品としての強みは?

やはり「使いやすさ」だと思います。日本に進出した当初、4,5名ほどの社員だけで1,000社近くも導入いただけた実績があります。どうしてそれが可能だったかというと、われわれが導入サポートをしなくても、お客様企業が自らセットアップをして使い始められるからです。また「スモールスタート」の仕組みとも相性がいいのです。

──スモールスタートとは?

初期投資を最小限に抑えられる料金体系を用意していまして、最初は数名だけで使ってみて、必要に応じて利用者を加えていけるような設計になっています。最初の30日間はトライアル期間として無料で使えて、その間にだいたいセットアップを完了できます。それさえ終われば、すぐにお客様からの問い合わせにも対応できるようになります。

──お客様側でセットアップを完結できるほど、さまざまなニーズに柔軟に対応できる製品なんですね。でもなぜそれが可能なのでしょう?

製品コンセプトとしては「シンプル」であることを重視していまして、カスタマーサポートのために本当に必要なものだけを抽出しています。もしそれ以外の領域で連携が必要でしたら、APIを公開しているのでつなげてくださいというスタンスなんです。それによってさまざまなニーズに対応しています。

サポートチームの人数が増えれば、必要なセットアップは変わってくる。対応の質に徹底的にこだわる企業もあれば、回答スピードを重視する企業もある。提供している製品によっても異なる。Zendeskなら、そうした状況に柔軟に対応できるという。

カスタマーサポートがビジネスの成長にもつながる

──今後Zendeskとしては、どのようなことに力を入れていくのでしょうか。

グローバルでも日本でも共通して今後力を入れていくのは、「オムニチャネル」と「カスタマーサクセス」です。

──Zendeskにとって、「オムニチャネル」の可能性とは?

最近のカスタマーサポートの課題の一つは、お客様が自身の置かれた状況に応じて、企業に問い合わせるチャネルを使い分けていることです。そのためサポートチームには、顧客情報や問い合わせの進捗状況を全チャネルでシームレスに共有できる環境が求められます。Zendeskを活用いただければ、メールだけでなくチャットやSNSなど、さまざまな経路からの問い合わせを一元的に管理できるので、対応の質の向上に期待できます。また、よくある質問をまとめたFAQサイトも簡単に立ち上げられるので、問い合わせ数の削減にもつながります。

──「カスタマーサクセス」は、「カスタマーサポート」とどう違うのですか?

Zendeskを使っていて「こんなエラーが起きて困っている」などといった問い合わせに対応するのがカスタマーサポートの部隊ですが、カスタマーサクセスは、利用するうえで感じる疑問や課題を先回りして解決法や情報を提供して、製品を使いこなしてもらうことでお客様企業の目標達成をサポートする役割です。

例えば、カスタマーサポートのゴール設定やKPIの設定に関して困っているお客様に対して、弊社のカスタマーサクセスのチームが実際にお客様の現場に入り、各担当者がどのような動きをされているのかを側で見させていただきながら、一般的なKPIの設定からZendeskを使いこなすことで取得できる数値、さらには機能の紹介など、Zendeskを使いこなしていただくためのご提案をします。

──藤本さんは、いまどういう想いでZendeskの利用促進に取り組んでいますか?

やはりカスタマーサポートがビジネスを変えていくところまでお手伝いをしたいという想いが一番ですね。CRMの業界にいた時、どうしても営業から始まる話が多くて、後ろの工程に行くほど優先度が下がっていく傾向がありました。でもやっぱり既存のお客様から好かれるのは大事なことですので、もっとカスタマーサービスからビジネスが始まる形が増えてもいいはずだと思っています。そのメッセージを製品ベンダーの視点から伝えられるといいですし、そういうことにチャレンジされているお客様に対して後方支援ができたらというのが一番の想いです。

──一度発売したら終わりではなくて、常に顧客の声を反映してサービスを改善していくことが求められる時代です。追い風は感じていますか?

ビジネスそのものがサービスの付加価値で決まるということが、本当に至るところで起きていますので、カスタマーサポートチームがプライドを持って、自分たちが会社を守っていて、会社の成長にもつながっているという意識は非常に高まってきていると感じています。

ある方は「自分たちがプロフィットセンターになりたい」という気持ちでやられていたり、またある方は「自分たちの声を製品なりサービスなりに反映させたい」というふうに考えていたり、いろんな見方があっていいと思います。いずれにしても「自分たちがお客様をサポートすることが、自社の成長につながっている」というような流れが少なからず強くなってきているのは、われわれカスタマーサポートサービスに特化しているベンダーとしては、本当に嬉しいことですね。

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