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企業の都度購買に着目した「テールスペンド」 から読み解く──Amazonビジネス、1年目の成果

数億種類の商品を取り揃えるAmazonだからこそ、企業にも提供できる新しい価値がある。これまで見過ごされてきた都度購買に革新をもたらした、Amazonビジネスのこの1年間の活用事例を振り返る。

突然、企業で必要なものができた時、人はどうするか。

企業の備品リストにはない。ならば、自分で近くのお店に買いに出かけたりして、立て替え精算することが多いだろう。

法人・個人事業主向け購買専用サイト「Amazonビジネス」を利用すれば、その経費精算を処理する経理担当にとっても、貴重な業務時間を割く必要のある社員にとっても、業務改善が図れるという。

Amazonビジネスの事業本部長を務める石橋憲人のインタビュー後編では、サービス開始からのこの1年間で見えてきたAmazonビジネスの強みである「テールスペンド」という概念について解説する。さらには、このサービスから生まれうる新しいBtoBビジネスの可能性について聞いてみた。

──Amazonビジネスの強みを表す「テールスペンド」という概念があると聞いたのですが、解説していただけますか?

企業が購入する物品のうち、あらかじめ必要だとわかっているものは「計画購買」と呼ばれます。例えばコピー用紙やレシートペーパーといったもので、購買額は全体の8割を占めています。ただし、それらを提供するサプライヤー数は全体の2割しかいないと言われています。残り8割のサプライヤー数を占めるのが、突発的に必要になる物品を提供する企業です。そのような購買が「テールスペンド」と呼ばれるものです。

Amazonビジネスは、取り扱うサプライヤー数が圧倒的に多く、数億点の品揃えがあります。そのため、このテールスペンドの部分で有効活用いただいていることが多いのです。

アクセンチュアが発表した、計画購買とテールスペンドの内訳を表した図。縦軸が全体の購買額、横軸がサプライヤー数を表している。金額にすれば2割だが、数多くの店で購入されていることがわかる。なかには会社の取引先では調達できず、社員が自ら調べて買いに出ることもあり、多くの無駄が発生していることも指摘されている。 Figure from "Getting a Grip on Tail Spend" by Accenture

──この1年間で、実際に「テールスペンド」の部分で購入されたケースにはどんなものがありましたか?

最近の事例として、あるホテルチェーンから「加湿器が560台ほしい」というリクエストをいただきました。「Amazonビジネスならなんとかなるんじゃないか」と想起いただいたのです。

Amazonビジネスの特長として、取扱商品の豊富さに加えて、配送スピードが挙げられます。今年は災害が非常に多い年でしたが、その際に現地から必要な備品を早急に届けてほしいと、お問い合わせいただきました。また、ある物流会社のお客様からは、発注ミスが判明して早急に備品が必要になった際にご連絡をいただいたこともあります。「Amazonビジネスならすぐに届く」と認知いただいていることで、緊急時に思い出していただけたのだと思います。

──Amazonビジネスが開始したことで、商品を供給・販売するサプライヤー側にはどんな変化が生まれたのでしょうか?

Amazonでは、直販ビジネスと、販売事業者様がAmazonで販売される出品ビジネスという二つのビジネスモデルがあります。販売事業者様には、Amazonビジネスの開始により、法人・個人事業主のお客様を対象に販売いただける機会が新たに生まれたことになります。

例えばオムロン様は、従前、体重計や電動歯ブラシといった個人のお客様が必要とされる商品をAmazonで販売されていましたが、ものづくりの現場で必要とされるスイッチやセンサーなどのBtoB商材も数多く取り扱っておられます。こうした中で、昨年、Amazonビジネスが日本で開始したことで、オムロン様の販売機会は拡大していると言えると思います。

販売事業者にとってAmazonビジネスに出品することが、法人や個人事業主などの顧客基盤を拡大するチャンスにつながると言えるだろう。

──企業は個人よりも購買力があります。Amazonビジネスで新規需要を見出したサプライヤーというような成功事例が生まれる可能性は、考えられるものでしょうか。

その可能性は十分あると思います。まず、Amazonビジネスに出品いただくことで、即座にAmazonビジネスを利用されるすべてのお客様に商品を販売できるわけです。さらにAmazonには「FBA(フルフィルメント by Amazon)」と呼ばれる、Amazonが販売事業者様に代わって商品の在庫保管や配送、お客様対応などを行うサービスがあります。このFBAを利用することで、小規模の事業者様でも、販路拡大のための営業コストや配送の負担を抑えながらビジネスを拡大することが可能です。実際に、Amazonビジネスでの販売を開始したことで、売上が何倍にも増えたというケースがあります。

──お客様と出会うことで得られる気付きはありますか。機能やサービスは、今後まだまだ進化を続けていくのでしょうか。

スタートして1年の間に、日本航空様やDMM.com様といった大企業の皆様にもAmazonビジネスをご利用いただけるようになったことで、企業購買ならではのサービス進化の可能性を感じています。例えば効率的に購買できるサイトの設計や購買分析で提示するデータの見せ方など、お客様と出会うことで新たなニーズを理解でき、それにお応えするために日々、サービスの改善に取り組んでいます。

個人向けのサイト「Amazon.co.jp」も、スタートから20年以上経ったいまでも、日々改善を続けています。同じようにAmazonビジネスも、企業購買に特化したサイトとして、これからも改善を続け、より多くのお客様のニーズにお応えしていきたいと考えています。

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