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11/22開催「Japan India Dialogue」:インド大使館首席公使が、モディ首相来日後の最新動向を解説

昨年インドに進出したEightが、初めて国内でインドを主題としたビジネスイベントを開催する。だがそもそも、なぜいまインドが熱いと言えるのか? 在日インド大使館首席公使ラージ・クマール・スリヴァスタヴァが、日印両国のビジネス最新動向を解説する。

イベントの申し込みは終了しました。

昨年11月、Eightはインドへの展開を発表し、海外版のアプリをローンチした。以来この1年間でさまざまな協力者とネットワークを築くことができ、手厚い支援に恵まれている。

その経験を広く共有し、ともにインドで挑戦できる仲間をもっと増やしていきたい、すでに進出している企業ともインドの可能性について議論してみたい。そのような考えのもと、Eightは11月22日(木)にインド経済のリアルとその魅力を共有するイベント「Japan India Dialogue」をインド大使館で開催する。

おそらく当日最大の問いとなるのは、「なぜいま、日本企業はインドへの進出を積極的に検討すべきなのか」ということだろう。ちょうど先月の28・29日に、インドのナレンドラ・モディ首相が来日し、安倍首相との会談を終えたばかりである。そこでBNLは、インド大使館の"ナンバーツー"、ラージ・クマール・スリヴァスタヴァ首席公使の取材を敢行。ビジネスにおける日印関係の最新動向について訊いた。

3つの補完関係は比類なきポテンシャル

公使によると、まず大前提として日本とインドには3つの補完関係があるという。第一に資本と経済成長である。

「日本には潤沢な資本があり、インドには著しい経済成長があります。経済成長が停滞している日本国内の資本は、大きなリターンが得られていないのが現状です。一方インドでは、今後約20年間、7~8%の継続的な経済成長を見込んでいます。そのため、経済的に補完しあえる関係にあると言えるでしょう」

第二の補完関係は、労働者人口だ。日本は少子高齢化により働き手の減少が喫緊の課題だが、反対にインドは人口増加が課題になっている。そのため、こちらも協力しあうことで、両国にとってメリットが生まれる可能性は十分にあると説明する。

「すでにインドに進出している日本の大手メーカーが中心となり、各社で必要なスキルを教える人材育成機関が運営されています。昨年5拠点ほど立ち上がり、今年新たに3拠点が加わっています。また、日本政府はインドにおける日本語教育に力を入れ始めています。まずは現地の日本語の先生を教育することで、全体のレベルの底上げを図っています」

第三の補完関係は、テクノロジーの得意分野の違いである。日本はハードウェアの製造技術に強みがあり、インドはソフトウェア開発のレベルが高い傾向にある。

「互いの強みは異なりますが、それゆえに両国の人材を掛け合わせれば、新しい未来が拓けてきます。モディ首相が推進している『Digital India』、『Smart City』、『Start-up India』等のプログラムはいずれも、日本が掲げているAIやIoTを中心とした未来構想『Society 5.0』と融合できるものだと考えています。先月の首脳会談にて締結した『India-Japan Digital Partnership(IJDP)』は、まさにそのような可能性を見据えたものなのです」

これら3つの補完関係をもとにした両国には「比類なきポテンシャル」がある。その言葉を安倍首相は、先月モディ首相が来日した際に、何度も強調していたという。首席公使としての役割は、その可能性が1日でも早く現実のものとなるよう最善を尽くし、両国の未来を導いていくことだと語る。

「実は私たちがやっていることは、『栽培』に似ているところがあるのです。種に水をやり、太陽が正しい方向から差し込んでいるかどうかを絶えずチェックしています。そして、ある植物の成長が進むと、次はどんな品種を育てるべきかまで考えています。(日印関係には)比類なきポテンシャルがあるので、ひとつのアイデアだけに縛られていては、もったいないからです」

総合商社や大企業が日印関係促進に役割を果たしている一方、それらだけに頼る必要はもうなくなった。今や、中小企業や数名しかいないようなスタートアップでも、支援を受けられる体制が整ったという。

最近は中小企業の進出が増えている

いま公使が注目している新しい"種"は、中小企業(SME)やスタートアップの支援だ。

「戦後、日本は財閥系の総合商社を起点にインドへの投資を進めてきました。大企業が進出する時に合わせて、系列会社も一緒に入っていくというモデルです。ただその手法が機能していたのは今世紀の初めくらいまででした。やがて日立や東芝のような、特定の業界において強いパイプをもつ企業が積極的に投資を始めました。そして近年は中小企業の事例が増えています」

日本の中小企業でも、インドに進出したいと考えた時に、インド政府から個別支援を受けられる環境が整った。かつての総合商社と同じように挑戦できるようになったという。

すでにこうした支援を積極的に利用して、インドへの投資を検討している企業は多い。先月29日には、日本企業によるインドへの投資プロジェクト57件が、モディ首相の立ち会いの下で「日印共同支援案件」として認定された。JETROやインド商工省、Invest India(商工省傘下の投資誘致機関)などが連携し、プロジェクトを支援していく方針だ。57件の投資総額は2,800億円、雇用想定数は2万9千人に上るとされている。

ではBNLの読者の中で、この記事を読んでインドに興味を持った場合、まず何から始めればいいのだろうか。公使は、「Japan Desk」というポータルサイトを案内してくれた。ここにいま日本語による最新情報が集まっているという。

「4年前のモディ首相の初来日に合わせて、インド政府の産業政策推進局は、『Japan Plus』の発足を発表しました。日本からの投資計画を促進および迅速化するための特別管理チームです。日本の経済産業省から2名の代表者が派遣されていまして、日本企業に対する支援活動に協力してくれています。先月、Invest Indiaの中に設置されたポータルサイトの日本語版が公開されました。ここで最新情報を集めて、いつでも気軽にお問い合わせください。各々のニーズに合わせて最適な人物や地域・支援機関等を紹介できます」

11月22日のイベントでは、公使も登壇する予定である。BNLとしては、まずはこのイベントに参加してみて、インドの熱気を体感してみることをお薦めしたい。「日本発インド向けサービスの軌跡と展望」というお題のセッションでは、すでにインドに進出している3社の担当者、アメグミCEO・常盤瑛祐、Progateグローバルマネージャー・西村拓之、Eightエグゼキュティブプロデューサー・千住 EDWARDが登壇。モデレーションをBNL編集長・丸山裕貴が務める。席数には限りがあるので、お申込みはお早めに。

Japan India Dialogue

インドのリアルとその魅力

開催日
2018年11月22日(木)
開催時間
12:30 - 13:00
受付

13:05 - 13:20:後援特別スピーチ
・Raj Kumar Srivastava(Embassy of India:Deputy Chief of Mission)

13:25 - 14:00
いま何故世界はインドに注目をするのか?その熱さの理由と背景
・小柳健彦(株式会社日本経済新聞社 Editor At Large)
・塩見賢治(Sansan株式会社 取締役 Eight事業部長)

14:05 - 14:45
ベンチャーキャピタリストが見る
インドの魅力と日系企業とインドスタートアップの関わり
・坂本教晃(株式会社東京大学エッジキャピタル 取締役)
・村上矢(Incubate Fund India General Partner)
・松浦道生(イシン株式会社 常務取締役)

14:50 - 15:30
日本発インド向けサービスの軌跡と展望
・常盤瑛祐(株式会社アメグミ 代表取締役)
・西村拓之(株式会社Progate Global Manager)
・千住Edward(Sansan株式会社 Eight Executive Producer)
・丸山裕貴(Sansan株式会社 BNL編集長)

15:30 - 15:45
休憩

15:50 - 16:10
アクセレレーターハブIN BANGAROLEのご紹介
・伊藤吉彦(JETRO(日本貿易振興機構)知的財産・イノベーション部)
・大野祐生(デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社 海外展開支援リーダー)

16:15 - 16:55
世界が欲しがる「インド人ITエンジニア」の採用の裏側
・田井美可子(株式会社メルカリ Globally Inclined Leader)
・成澤友和(株式会社ワークスアプリケーションズ グローバル人事マネジャー)
・藤倉成太(Sansan株式会社 CTO)

後援特別スピーチ:インド大使館 / Raj Kumar Srivastava(Deputy Chief of Mission)
開催場所
在日インド大使館
東京都千代田区九段南2-2-11
イベントの申し込みは終了しました。

ゲスト・プロフィール

常盤瑛祐

アメグミ CEO
27歳。過去9年間、環境条約の政策提言、ネット選挙の解禁、大学にてグラフィックデザイン学習、クラウドファンディングによるアートプロジェクト、哲学新理論構築(執筆中)、マーケティングでスタートアップ3社経験。その後インドで調査を行いスマホ向けOSに取り掛かる。

西村拓之

Progate Global Manager
University of California Los Angeles (UCLA) および東京大学在学中。中学2年からニューヨークに住み始める。アメリカの高校を卒業後、UCLAに入学。しかし、政治・経済・ITなどあらゆる分野の中心である「東京」という都市にポテンシャルを感じて休学を決意。翌年東京大学に入学。東京大学時代前半は、在日留学生の日本での就職支援や、海外に住む外国人の日本への就職・留学を増やすプロジェクトをNPOで牽引。2017年4月からProgateにジョインし、エンジニア、コンテンツ翻訳などの業務を経て、現在はGlobal Managerとしてインドの拠点設立をはじめとした海外展開の業務を主に担っている。

千住 Edward

Executive Producer of Eight
メキシコに生まれ、中学までをアメリカで過ごす。大学卒業後はOracleで新規営業部隊の立ち上げを経験。創業期のSansanにジョインし、経営管理部の立ち上げメンバーとして人事制度の策定、新卒・中途採用の立ち上げ、資金調達、移転プロジェクトに従事。2011年からは名刺アプリEightの立ち上げに参加。以来製品企画やマーケティングを統括。現在は個人向け名刺アプリEightの海外責任者を務めている。

丸山裕貴

BNL編集長
1986年、広島県生まれ。米デトロイトで幼少期を過ごす。早稲田大学国際教養学部を卒業後、メディアジーン「ギズモード・ジャパン」編集部を経て、2012年よりコンデナスト・ジャパン『WIRED』編集部に所属。その後、16年3月よりSansanに転職し、Eightのコンテンツ戦略をリード。8月から「BNL(Business Network Lab)」を立ち上げ編集長を務める。