メールマガジン登録フォーム

BNLの最新記事情報やイベント告知などをEメールでお届けします。
こちらの個人情報の取り扱いに同意して、「Subscribe」に進んでください。

Eight Fireside Chat

石川善樹が「Eight Fireside Chat」で語った、新しいアイデアを生む、3つのつながりの法則

11月21日、予防医学研究者の石川善樹をゲストに迎えたEightのトークイベントを「Tokyo Work Design Week」のスペシャルコラボプログラムとして渋谷ヒカリエで開催した。2時間のトークのうち、最も注目を集めた3つのビジネスネットワークの法則を紹介。

名刺アプリ「Eight」のメディア、Business Network Labが主催する「Eight Fireside Chat」は、各界の第一線で活躍するゲストを招き、これからのビジネスネットワークについて語るトークイベントだ。

第3回は、“働き方の祭典”「Tokyo Work Design Week」のスペシャルコラボプログラムとして、渋谷ヒカリエでの開催となった。

ゲストは『疲れない脳をつくる生活習慣』や『友だちの数で寿命はきまる』、『最後のダイエット』等の著者であり、ビジネスパーソン対象の講演や、企業のアドバイザーまで務める予防医学研究者の石川善樹。

自身の生い立ちから、これまでのキャリア、人生100年設計の考え方まで、トークの内容は多岐に及んだが、本稿では「新しいアイデアを生むビジネスネットワークの法則」に焦点を絞ってレポートする。

法則1. 基本は3人で笑うこと

ビジネスの出会いの質を高めるには、Y氏ともZ氏ともつながっているX氏が、まだつながっていない2人を紹介して、3人で笑うことから交流を始めると効果的だと説く。詳細は過去のインタビュー記事で。

動物のつながりの技術は「毛づくろい」だと石川は語る。毛づくろいをすることで脳内物質エンドルフィンが放出されて仲良くなれる。

毛づくろいは1対1でしかできないが、人類はより多くの人とつながれる技術を習得していると彼は説く。笑い、歌と踊り、そして物語と宗教だ。笑いは3人までが限界で、4人以上になると取り残される人がでるという。それを突破できるのが「歌と踊り」の力であり、「物語と宗教」はさらに多くのつながりを生む。

しかし、つながりは単に多ければ良いわけでもない。人間は興味関心が近しい人とつながりやすいため、油断しているとどこかで聞いたことのあるようなアイデアばかり耳に入ってくるようになる。

「例えば、トランプ次期米大統領の誕生を喜ぶ人が、あなたのSNSのタイムラインにどれほどいたでしょうか。全然いなかったという人のネットワークは多様性に乏しく、出会いの質が悪いということになります」

だがジレンマもある。自分にはない新しいアイデアを持っている人は、会いにくいことが多い。そこで石川は、通常トレードオフになる「その人が持つアイデアの新しさ」と「その人の会いやすさ」を、ちょうどいいバランスで実現する数式を導き出した。

法則2. 「会うべき度」の高い人を探すこと

一見複雑に見えるが、考え方としては非常にシンプルな数式だという。

この「会うべき度」の数式を実装した未来のネットワークサービスを石川は「ヒトナビ」と呼んでいる。ヒトナビは、まるでカーナビのように明日誰に会えば優れたアイデアを得られるかを教えてくれる空想のサービスだ。

「いまぼくらは、SNSがつくり出した"つながりの大海"を彷徨っているといえます。なぜなら、羅針盤を持たずに海に出てしまったからです。『ヒトナビ』はSNS時代の羅針盤を目指してつくっています。社会に実装されれば、すごいことが起きると思いますよ。『トランプ大統領、よっしゃー!』という人もまわりに増えるはずです」

ヒトナビがなくても、普段なかなか会えないような人と話す機会に巡り合うこともあるかもしれない。その時、いったい何を話せば新しいアイデアを交換できるのだろうか。石川は研究者の基本である「問い」の重要性について語った。

法則3. 万人が関心をもつ「問い」を語ること

石川がホワイトボードに描いた図をノートに写したり、写真に収める人も多く見受けられた。

人はそれぞれ自分が働く領域における特有の「問い」を持っている。

例えば経営者は、「何やってるの? それ儲かるの? それはスケールできるの?」という3つの問いを投げかけることが多い。一方、政治家は「それは政治に何ができますか?」という質問が好きだ。

だが石川はいろんな人と会う中で、なかには共通の問いがあることに気づいた。それに対する自分なりのアイデアを持っておくと、どの業界の人とも話ができるようになるという。

その共通の問いは「いまどういう時代か」というものだ。自分の専門分野にもとづいて、いまの時代を語ることができれば、壁が取っ払われてお互いのアイデアを語り合えるようになる。同様に「人類とは何か」という問いも、深い洞察を持っていれば効果的だという。

ときに笑いも誘う熱量あふれるトークで、石川は120分間、観客を飽きさせなかった。

答えではなく問いでつながろう

相手がどのような問いを持っているかに着目すれば、どういう人とつながるべきかまでわかるようになってくる。会場から投げかけられた「相性が良いだろうと思って紹介したら意外と話が合わない時があるが、どうすればミスマッチを減らすことができるのか」という質問に対して、石川は次のように答えた。

「研究の世界でよく言われるのは、『専門性は違ってていい。むしろ違っていた方がいい。ただ問いは共通であるべきだ』ということです。お互いどういう問いをもって生きているのか。そこが共通していれば話は合うと思います。アイデアはその人の問いに対する『答え』です。アイデアレベルだと一見似ているようでも、よく話を聞いてみると『問い』が違っていることもあります。だから相手の答えではなく問いに注目するべきです」

例えば石川が今年の1月から11ヶ月間、ずっと問い続けてきたことは「考えるとは何か」というもの。試行錯誤の末、最近ようやく納得できる答えにたどり着いたという。しかし、その答えは迂闊に人に話したくはないそうだ。

「多くの人は考えることが仕事になっているはずです。だから迂闊に人から聞いてはいけないと思うんです。何よりぼくの答えはあくまでひとつの答えでしかない。ぜひ、みなさんも"考えるとは何か?"を考えてみて、ディスカッションさせてください!(笑)」