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ビジネスネットワーク活用の裏ワザ

「憧れの人には会いに行かない。名刺は渡す文脈が大事」日本仕事百貨・ナカムラケンタが勧める人脈術

生きるように働く人のための求人サイト「日本仕事百貨」を運営し、さまざまな"働く"のかたちを取り上げることで、仕事と人の出会いのきっかけをつくってきたナカムラケンタ。今年4月に清澄白河に「しごとバー」をオープンした背景にある考えから、3つの「ビジネスネットワークの裏ワザ」を紐解く。

Eightユーザーのつながる技術を探る「ビジネスネットワークの裏ワザ」

名刺をEightに取り込むだけではもったいない。あなたのビジネスネットワークをもっと効果的に活用できれば、仕事の課題に対して新たな解決の糸口が見つかるかもしれない。

つながりを生かして、ひとりの力では実現できないことを達成していく人たちには、きっと新人研修では教えてくれないビジネスネットワーク活用の“裏ワザ”があるはずだ。それを探るため、Eightユーザーを取材する企画「ビジネスネットワークの裏ワザ」をスタートさせた。

今回は、世の中のさまざまな生き方・働き方を知れる場を提供するナカムラケンタを東京・清澄白河のリトルトーキョーに訪ねた。

ナカムラが手がける求人サイト「日本仕事百貨」には、多種多様な求人情報が掲載されている。地域の課題解決に取り組む団体や新たな農業のあり方に挑戦している人、伝統産業を支える職人。それぞれの働き手の思いやこれまでの経緯、現場の具体的な事例や苦労話などが綴られている。

「これまで求人を掲載させていただいた人たちは、自分なりの生き方を模索したり世の中を良くしたいと思って行動したりしている人たちばかりです。取材に行くたびに、色んな学びがあります」

「日本仕事百貨に求人を掲載したい!」と日々問い合わせがくるが、内容によっては載せても求人がこない可能性があることを説明して、クライアントの期待と現実のギャップを埋めるコミュニケーションを心がけているという。総じてクライアントの満足度は高く、営業することはなく、口コミによって広がってきた。

「営業にリソースを割いて、結果として求人コンテンツの質が落ちてしまっては意味がありません。掲載させていただいたクライアントに対して、良い出会いをつくることを心がけています。満足していただければ、またご依頼いただけますし、日本仕事百貨に合ったクライアントさんをご紹介いただけるんですよ」

裏ワザ1. 「文脈のある場」をつくる

現地に足を運び、取材をし、文章にして求人のコンテンツをつくるだけでなく、さまざまな生き方・働き方をしている人たちが1日バーテンダーとしてカウンターに立ち、お酒を飲みながら話をする「しごとバー」という企画も行っている。

ナカムラの会社が入っている清澄白河のオフィスビルの1階のスペースで、「しごとバー」が夜な夜な開催されている。近くには「ブルーボトルコーヒー」もあって、最近話題のエリアだ。

学生時代に建築を専攻していたこともあり、「良い場所はどうやったらできるのか」を常に考えていたという。

「どんなに著名な建築家の建物だとしても、そこに普段いる人の顔や振舞いでその空間の良さが決まってしまいます。つまり、空間よりもそこにいる人が重要なんです。そこで、人と人との出会いをつくる求人サイトを始めました。次第に、求人の記事だけでなく実際にリアルな空間で会って話す場をつくることで、よりその人たちの考えが伝わるのでは、と考えました」

しごとバーでは、仕事の話だけでなく、プライベートな話、時にはお客さんの話にも耳を傾ける。ゲストだけでなく、お客さん同士も共通の話題でつながりが生まれることも。

毎回違ったゲストが1日バーテンダーでカウンターに立つ。一方的に話すのではなく、お酒を片手に互いの会話を楽しむ。いわば、スナックのような空間だ。参加者は、その日のゲストに会いたくて訪れているので、共通の「文脈」がある。だから、初対面でも仲良くなりやすいのだという。

「インターネットが発展してきたことで、リアルの価値が再認識されてきています。しごとバーは、リアルな場所の役割が明確になってきた時代だからこそ、インターネットではできない人と人とのつながり方を生む場なのです」

裏ワザ2. むやみやたらにつながらない

「文脈」の考え方は、ナカムラ自身のビジネスネットワーク術にも通じている。

「名刺を交換してEightでつながったときも、互いに興味や共通の話題、すぐさま相手の名前や仕事の内容が思い浮かぶ関係性があることが大切だと思います」

一般的に、仕事のつながりを増やすために異業種交流会などの場に行き、名刺交換をする人は多いかもしれない。しかし、ナカムラはそうした交流の場に行っても意味がないと話す。

「人とのつながりは数ではありません。名刺は枚数ではなく、相手と自分とのつながりの濃さや関係性こそが大切です」

人の紹介や共通の話題で出会うなど、その人との関係性があってこそつながりは生きてくる。名刺交換をすることが目的ではなく、名刺を交換したその出会いをどう大切にするか。それこそがナカムラが大切にしている考えだ。

「憧れの人に、わざわざ会いにいくようなことはしません。名刺交換だけをしに行っても意味はなくて、それよりもその人との出会いの文脈があれば互いに印象に残るはず。出会いのタイミングはおのずと出てくるし、そのほうがより自然なはずです。ご縁を大切にして、本当に名刺を渡すタイミングで名刺を渡せばいいと思います」

裏ワザ3. 自身のプロジェクトを立てる

ナカムラが日本仕事百貨を立ち上げた大きな理由は、「色んな仕事や働き方を共有したい」という思いからだった。かつて会社員として働いていたときに、自身のロールモデルと出会ったことで独立する勇気をもらえたという。そうした自身の経験から、さまざまな生き方・働き方を知るための機会を提供することの価値に気づいたのだ。

「当時のぼくは、世の中のことについて何も知りませんでした。サラリーマンをしていると、普段出会う人も社内だけになりがち。そうではなく、“こんなやり方があるのか”、“もしかしたら、自分もこんなことができるかもしれない”と考える機会を通じて、本当に自分がやりたいことが見えてくるはずなんです」

ナカムラは、「日本仕事百貨」や「しごとバー」だけでなく、本のレーベル「シゴトヒト文庫」や、映画の自主上映サービス「ポップコーン」など、さまざまなビジネスプロジェクトを立ち上げている。

ロールモデルと出会い、そこから自分の一歩を踏み出す。自分の生き方に正直になれる働き方を見出すこと。そこから、自分の思いを言葉にするボキャブラリーを増やすことで、その人らしい生き方・働き方が形になってくる。日本仕事百貨が掲げる「生きるように働く人の仕事探し」には、多様な生き方、働き方を知ることで、自身の進む道が見えてくる場である。

「自分のやりたいことが見えてきたら、会社員ではなく一個人としてのつながりに意味がでてきます。そうしたら、企業の名刺ではなく個人の名刺を持つことですね。自身でプロジェクトを立ち上げ、そのプロジェクトについて自分の言葉で語ることができれば、そこから新たな道や出会いが生まれてきます」

近い将来、いまある仕事がなくなるかもしれない。時には、時代とともに新しい仕事が生まれてくるかもしれない。そうしたとき、自分自身がどういった人生を送るのか。どんな働き方をするのか。自分自身といかに向き合っていくかが今後問われてくるはずだ。

ナカムラが取り組むさまざまな事業は、人とのつながり方だけでなく、そうした人が自己と向き合うための機会と場とつながりをデザインしている仕事といえる。

ナカムラの生き方・働き方に興味を持ったら、まずはリトルトーキョーの「しごとバー」に参加してみよう。詳しくはこちら